京都大学大学院農学研究科 21世紀COEプログラム 昆虫科学が拓く未来型食料環境学の創生

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拠点リーダー挨拶

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地球上の動物の中で最大群を成す昆虫類は、4億年という長大な進化史を通して、きわめて多様な形態と機能(生態)を培ってきました。それは言わば生き延びるための"智恵"の結晶のようなものであります。その智恵に学び、それを食料・環境問題など地球的課題の解決に資する教育・研究の拠点を創ろうというのが、本プログラムの目的であります。

我が国はその多様な国土を反映して、先進国の中では昆虫相の飛びぬけて豊かな国であります。だからこそ、昆虫はさまざまな文化の中に溶け込んできました。その一方、害虫被害も深刻で、例えば亨保年間の大飢饉がウンカ類などの稲作害虫によってもたらされたことは、良く知られた事実であります。そのような事情から、我が国の大学では、昆虫に関連する各研究室は、農学部に置かれました。そこには、「昆虫学科」こそ組織されなかったものの、農学、農林生物学、林学、農芸化学、繊維学などの各学科に分かれて、様々な側面から昆虫についての研究が活発に推し進められてきました。特に京都大学農学研究科では、昆虫関連分野において、数々の世界的な研究が行われてきました。今西錦司や内田俊郎をはじめ著名な生態学者を輩出し個体群生態学のセンターである研究室、我が国で最初に昆虫フェロモンの構造決定を行った研究室、農薬化学という学問分野を創始して殺虫剤の定量法の確立や構造活性相関からの創薬を初めて行った研究室など、生態学、生理学、化学生態学、農薬化学などの各学問分野においてユニークな視点から常に世界をリードしてきた伝統と実績があります。

しかし害虫防除技術ひとつをとってみても、個別の研究だけでは、効果的な解決策が得られないのは明らかです。本拠点は、細分化された昆虫関連分野の有機的再統合、圃場や演習林などフィールドでの検証、さらにロボティクスなど他分野との積極的な連携をもって、食糧問題や環境問題など、人類が直面する重要な課題を総合的に解決する場として機能することが期待されます。このような場で生まれたさまざまなソルーションは、自然と共生し昆虫とも親しむわが国固有の伝統的文化と共鳴して、世界に向けて発信されるはずです。皆様のご支援をお願いする次第であります。


21世紀COEプログラム「昆虫科学が拓く未来型食料環境学の創生」拠点リーダー 藤崎憲治



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