京都大学大学院農学研究科 21世紀COEプログラム 昆虫科学が拓く未来型食料環境学の創生

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研究内容

期待される成果

エントモミメティク科学が拓く新たな戦略と技術の開発
変温動物である昆虫は温度変化に極めて敏感であるため、彼らの発生動態の変化は温暖化に伴う生態系の未来を予知する敏感なセンサーとして利用することが可能です。昆虫個体群と群集の動態から、地球環境の変動を予測・評価します。また、種々の生物間相互作用を利用した高効率的防除資材の開発も試みます。モデルとしては、近年昆虫生態学分野で発見されたシロアリ類に関する研究が好例となります。すなわち、シロアリの卵に物理的および化学的に擬態して巣内に共生している菌核菌の発見は、生態学者と化学者との共同研究の成果で、これまで想像も出来なかった「シロアリの卵運搬本能を利用した駆除法」という画期的な防除技術として産業化されつつあります。生理学者と工学者の共同研究から、受粉や除草など圃場作業を行うフィールドロボットに、昆虫ロボティクスを応用することも可能です。

応用は害虫防除に留まりません。6脚歩行にヒントを得て、昆虫を模したロボット研究が実施されてはいます。しかし、昆虫科学が主体になって、その専門的知識による充分な理解のもとに、昆虫ロボットを実現した例はほとんどありません。高感度で多様なセンサー、簡素にして効果的な運動システム等、昆虫に固有の並外れた機能は、新産業の創生に貢献できる素材の宝庫です。このように分子から生態までの昆虫科学の発想のもとに、昆虫というシーズを様々な融合研究で実用化し、物質生産から生産管理システムまで、社会の様々なニーズに応える研究・教育拠点の形成を目指します。

期待される成果
研究における本プログラムの目的は、昆虫の生きる術を模倣することで、社会から要請された応用的課題に応える点にあります。そして事業の遂行を通じて、新規学問分野であるエントモミメティク科学の創生が期待されます。また並行して推進する3つのプロジェクトにより、次の具体的研究成果が期待されます。
1. 個体群と群集レベルでの昆虫の反応に基づく地球温暖化等の環境変動の予測。
2. 昆虫の超高感度で精緻な感覚システムを模倣した検出器の開発と、個体内、個体間ならびに天敵や共生微生物との間のコミュニケーションシステムを利用した昆虫個体群管理戦略の構築。
3. 昆虫に固有な、環境情報収集、情報処理、運動出力にもとづく昆虫ロボティクスの体系化と、実世界での応用。



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